キュッと唇を引き結んでから、ふっと力を抜いて小さな唇を動かす。
さっきよりもさらに赤くなったまりやは、ちゃんと自分の気持ちを伝えようとしてくる。
「大翔君が好き……。
毎日、好きっていう想いが膨らんで、困っちゃうくらい」
照れ笑いを浮かべて、柔らかく微笑むまりやに負けた。
「お前……ここでそういうこと言うの、反則」
「えっ?」
ギュッと、まりやを腕の中に閉じ込めると、頭の上に顎をそっと乗せる。
「大翔君の心臓の音……ドキドキしてる。
すごく速い音で鳴ってるよ?」
俺の胸に耳を押し付けてるまりやは、腕の中で嬉しそうに小さく笑う。
「笑うなよ。
お前のせいなんだから……」
さっきのお返しとばかりに笑うまりやに、余計俺の顔が熱くなる。

