「ふぁ……。う~ん……」
小さく伸びをして起き上がったまりや。
「よく寝てたな」
「えっ!? あ、ひ、大翔君……っ!」
完全に気が抜けきってたまりやは、俺を見た途端に大人しくなる。
「ごめんね、思いっきり寝ちゃったみたいで……。
私、変な寝言とか言ってなかった?」
恥ずかしそうに俺に聞いてくるまりやに、つい意地悪したくなる。
考える素振りをわざと見せて、隣から心配そうに見てくるまりやの反応を楽しむ。
「寝言ねぇ。言ってたかな」
「ど、どんなことを……?」
「教えてほしい?」
まりやの反応が面白くて、わざと聞き返す。
コクンと頷いて、大きな瞳で見つめてくるまりやがおかしくて、我慢できずに俺は笑い出した。

