「少しの間寝てていいから、肩貸してやる」
力を抜いたら、そのまま倒れていきそうな勢いのまりやの肩を引き寄せる。
「……ありがと、大翔君」
最初は遠慮がちに俺の肩に頭を乗せてきたけど、眠気で力が抜けてきてるのか、徐々に重みが加わってくる。
完全に俺に体を預けて眠ってしまったまりやを起こさないように、テーブルの上に開いたまま放置されていた雑誌を手に取る。
さっきまで、まりやが見ていたんだと思う雑誌には、『夏のお勧めデートスポット』の文字が大きく載っていた。
それに何となく目を通しながら、ふと思う。
付き合ってから、まりやを一度もデートに誘ってないことを。
付き合う前に動物園は行ったけど、有紗と祥吾が一緒だった。
温水プールと遊園地も2人きりで行ったわけじゃないし、邪魔が入ったりして結局ゆっくりする暇がなかった。
こういう雑誌を見る限り、やっぱどこかに行きたいって思ってんのか。
視線を落としていた雑誌から、隣でスヤスヤ眠るまりやを見ると、つい自然と笑みが零れる。

