「俺のことは気にしなくていいから、冷めないうちに食べろよ」



そう言ってみても、まりやは顔を横に振る。



「大翔君と食べたいの。
わがままかもしれないけど、一緒に食べたい」



俺より背が小さいから、自然と見上げる形になるのはわかってるけど、



お願いしてくる時のまりやの目にかなり弱い俺。



狙ってやってるわけじゃないから、余計に困る。



俺はこいつが美味そうに食べる姿が好きなんだよな。



何でもニコニコしながら食べるの見てると、また作ってやりたいって思う。



洗濯物を干してから朝飯を食べようと思ってたけど、洗濯カゴをリビングのソファ横に置く。



「先に食べるか。お前のために作ったんだし、冷めたら美味しさ半減するしな?」



悪戯っぽく言った俺にキョトンとするまりや。



椅子に座った俺を見て、まりやも真向かいに座ると手を合わせたまま俺を見てきた。