「ひぃぃいっ!」
栞のこんな声は初めて聞く。
怯えたようなその声にクラス中も何事かと注目する。
「光……まさかと思うけど……。
お前の好きな奴ってもしかして……」
大翔君が言いかけるのを手で制した宮内君は、まっすぐに栞を見つめ
「あの時ね、しおりんがオレのために怒ってくれたから、今のオレはここにあるんだ。
オレのためにあんなふうに怒ってくれる子初めてだったから、オレ感動して。
運命の相手がこんな近くにいるなんてもっと早く気付くべきだった」
「いや! あれは、ヒカりんのためを思って言ったことだけど、別に深い意味はないから!!」
「それでも、オレは嬉しかったんだ。
すぐには無理かもしれないけど、オレと付き合ってよ。
しおりんのこと好きになっちゃったんだ」
衝撃の告白に、クラス中が大絶叫。
天と地がひっくり返るくらいの大騒ぎになった。
「え、えぇ? 宮内君が栞のこと?」
信じられなくて、でもすごく嬉しくて改めて栞と宮内君を見る。
こうして見ると、お似合いな2人だよ!
大騒ぎするみんなをよそに、私は2人に拍手を送っていた。

