「もう、みんな心配しすぎだよ。
オレね、本当の恋に目覚めちゃったみたいなんだ」
これまで宮内君が照れてる姿なんて見たことなかった私は、宮内君の口から嬉しい発言が出たことに席を立つ。
「本当!? 宮内君好きな人ができたの!?」
嬉しくて彼に近寄ると、大きく頷いた。
そっか、ついに宮内君も!
友達としてすごく嬉しい!
素直に喜ぶ私とは対象に、大翔君の目は何故か栞に向けられていて。
その栞は、大翔君の視線から逃げるように目を合わせないようにしていた。
「どうしたの? 2人とも」
「い、いや〜。別に?」
別にという割に声が上擦る栞。
大翔君も「まさかな……」という顔をしている。
どうしたんだろう?と思っていると、宮内君がいきなり栞の両手を掴んだ。

