駅の近くにあるカラオケを目指して歩いていると、不意に大翔君が私の手を握ってくる。
人がいても自然とそうしてくれる大翔君が嬉しくて、ひとり頬を緩ませた。
「みなさんお揃いでどこかお出かけですか?」
駅がある方角からまた篠原さんがやってきて、私達5人を順番に見る。
「あんた……また現れたの?」
「また現れたなんて、人を怪獣みたいに言わないでくださいよ」
ひとりだけ笑っている篠原さんは、大翔君と一緒にいた私に目を留める。
そして、私達が繋いだ手を見て近付いてきた。
「純礼、何しにきたの?」
そんな彼女を私達に近付けさせないためか、宮内君が庇うように私達と篠原さんの間に立つ。
「何しにって、ヒロト君に会いに来たに決まってるじゃない。
好きな人に会いたいって思うのは当然でしょ?」
好きな人……篠原さんが本当に大翔君のことをそんなふうに想ってるとしたら、やっぱり嫌だよ。
「本当に大翔のこと好きなの?」
いつになく真剣な宮内君は、彼なりに私達を守ろうとしてくれてるのだと思った。
自分の方が大変な思いをしてるのに、こんな時まで宮内君は私達のことを思ってくれて行動してくれてる。

