「美味かった。次も期待してるからな」
残さずに綺麗に全部食べ終えたくれた大翔君は、空になったお弁当箱を元の状態に戻して、私に渡してくれた。
次もってことは、また作ってもいいってことかな。
無言で私と大翔君のやり取りを見ていた宮内君と谷山君は、栞に後ろから背中を叩かれる。
「うっ……。よ、米ちゃん、マジで痛いんだけど」
「どんだけ力あるんだよ。
今、米俵を両肩に担ぐ米倉の姿が目に浮かんだんだけど……」
「あ~! 20㎏は余裕で持てるし、イケんじゃない?
そんな強い力で叩いてないのに、2人とも弱すぎだし!
さて、あたしらは先に教室戻ってるから、まりや達はもうちょいゆっくりしてなよ」
気を遣ってくれた栞は、余程叩かれた背中が痛かったのか、痛い痛いと喚く2人を引っ張って、本当に先に教室に戻ってしまった。
「騒がしい奴らだな」
騒がしいなんて言いながら、嬉しそうに笑ってる。
「はー……。腹もいっぱいになったし、ちょっと休憩」

