「うわ~! 大翔のお弁当、超美味そうじゃん!!
え? もしかして、まりやちゃんの手作り!?」
木陰の反対側にいた宮内君が、大翔君の手元にあったお弁当を覗き込んできた。
「愛されてるねぇ。
まりやの愛妻弁当が食べられるなんて、ダンナあんたは幸せもんだよ~」
宮内君とは反対側から声色を変えて現れた栞も、デザートの濃厚ミルクプリンを手に持ってお弁当を覗き込む。
「し、栞……!」
赤くなって慌てる私に、怪しい笑いを漏らして、上手くいってよかったねと左右の親指をグッと立ててくる。
大翔君に内緒でお弁当作りをすることは、栞だけには相談していて知ってたから、冷やかしながらも、一緒に喜んでくれる栞に嬉しくなった。
「いいなぁ……」
「美味そう~」
大翔君のお弁当を覗き込んでいた宮内君と谷山君の声が同時に被る。
子供みたいに羨ましがる2人につい、クスッと笑いが漏れた。

