「いやぁ、昨日の雨には参ったね」



昨日は夜中までゲームをやっていて寝不足だという栞が、机に体を預けて怠そうに呟く。



「でもギリギリ濡れなくてよかったよね」



「本当だよ〜。間一髪ってとこだったしな」



うーん、と大きく伸びをした栞は、固まった筋肉を解すように肩を回す。



「ゲームのやりすぎじゃない?」



コキコキと気持ちよさそうに骨を鳴らす栞につい笑いが零れてしまう。



「マジで面白いんだって! まりやもやれば絶対にハマるのに」



この間からそう言って私を勧誘してくるけど、私はいつも笑ってごまかすだけ。



それに私は戦闘ゲームとか苦手だから、栞みたいに上手にできそうもないし。



栞が私にそのゲームがいかに面白いかを話し始めたら、私達の席にクラスメイトの女の子2人が近付いてきた。



その2人は大翔君のファンの子達で、私は何か言われるのかと内心ドキドキしていた。



「藤沢さん」



「ど、どうしたの?」



なるべく普通に聞き返したつもりだけど、声が上擦ったかもしれない。