お昼休み。



「うまーいっ!!」



人が少ない中庭にある木の木陰で、みんなでお弁当タイム。



自分で朝早く起きて握ってきたという特大すぎるジャンボおにぎりを頬張る栞。



栞の顔の半分くらいはあるんじゃないかと思うおにぎりには、たくさんの具が詰め込まれているらしく



鮭に、ツナマヨ、昆布、梅、焼たらこの5種類を入れてきたんだとか。



「米ちゃん、さすが苗字に米の字が入ってるだけあって、おにぎり握るの上手だね」



購買で買ってきた人気のメロンパンを食べながら、栞の美味しそうなおにぎりを羨ましそうに見つめる宮内君。



「あたしの苗字に米……? そうじゃん!

米の蔵っていう漢字なら食欲旺盛なあたしにピッタリなのに。

てかさー、ヒカりんも自分で作ってくりゃいいじゃん!」



「あーダメダメ。

光も俺と同じで、料理めっきりなヤツだから」



同じく購買で買ってきた焼きそばパンを食べて、横から入ってきたのは、クラスが違うのに最近よく一緒にいるようになった



大翔君の従兄弟の谷山君。



「祥吾と一緒にされると何かムカつくから、オレも料理勉強しようかな」



「無駄な努力は時間の無駄なんだから、やめなよ~」