「あのさ、盛り上がってるとこ悪いんだけど、用ないなら帰っていい?
あんたに付き合ってるほど、俺は暇じゃないから」
笑い合ってる2人に割り込む形で言い放つと、篠原が慌てたように俺に上目使いをしてくる。
わざとやってるってわかる上目使いに、俺は眉根を寄せる。
これ可愛いとか思ってやってんのか。
こうすれば男がみんな喜ぶとでも思ってるのか、こいつ。
冷めた目で篠原のことを見る俺に、負けじと上目使いをしてくる。
そして、
「光君とヨリを戻したいの。
だから、私に協力してくれませんか?」
は……? 何言ってんの、こいつ。
光とヨリ戻したいいから、俺に手伝えって、何だよそれ。
理解できないその考えに、俺はもっと険しい表情になる。
それを見ていた麻生先輩は、口を挟んじゃいけないと思っているのか、俺達の間で静かにその会話を見守っている。
「あのさー、光が迷惑してんのわかってるだろ。
毎日毎日、ストーカーみたいに学校終わりにうちの学校まで来て、一体なにが目的なの?」
「目的なんて、私は別に。
ただ、光君ともう一度やり直したいだけで」
「だから、それがおかしいだろって言ってんの。
4年も経ってるのに今さらだろ、そんなの。
あいつじゃなきゃいけない理由って何? 酷いフり方したのあんたの方だろ」

