「あれは永久保存版にして、あんた達が結婚する時の2人の出会いから今までストーリーの中に組み込んであげるから、心配すんなって!」



グッと親指を立てられて、白い歯を8本見せて笑う栞に、朝から顔が熱くなる。



「な、何言ってるの……っ!

そんな先のことなんて、わからないでしょ」



どう返していいのか困った私は、どんどん熱を持つ顔に両手を添える。



「ほっほっほ。まりやってば、超真っ赤なんですけど!

やっぱ、あんたは可愛い!! あたしの親友サイッコー!」



ヒュ~と軽快に口笛を吹きながら、私よりも先に教室に入って行った栞。



私をからかって遊ぶネタが増えたと喜んでる栞に、最近はこうしてイジられる私。



面白い返しなんて何ひとつできないのに、私の反応が十分面白いとか言って、いつもからかってくる。



栞によって、熱くさせられた顔の火照りがやっと治まってきたかなと思いながら、後に続いて私も教室に入った。



途端に仁王立ちして、教室の入り口に留まってる栞の背中と出会った。



どうしたのかと、栞の肩越しに顔をひょっこり覗かせると、



最近、毎日の恒例となりつつあるクラスメイト達による囲みができていた。