溺愛王子とヒミツな同居2




頭を下げて謝った私は、優しく手が触れる感触がして頭を上げる。



「お前が謝る必要ないだろ。

予測不可能な行動してきたのはあっちだし、まりやは悪くない。

それより、ひとりにさせてごめんな。怖かっただろ」



私の隣に座っていた大翔君は、怒るどころか私の心配をして気遣ってくれる。



「怒ってないの?」



「あいつには怒ってるけど、まりやに怒るわけないだろ。

あの先輩に何もされなかったか?」



何もされなかったと頷くと、よかったの意味を込めて頭を優しく撫でてくれた。



それだけで、もっと安心感に満たされる。



どうして大翔君だとこんなに安心できるんだろう。



私の気持ちをいつもわかってくれて、いつも欲しい時に欲しい言葉をくれる。



「これからはもっと気を付ける。

大翔君が言ったみたいに、必要以上に話さないようにするから」



「そうしてほしいけど、あの人かなり粘りが強そうだからな。

なんてたって磁石らしいし」



冗談を交えて私を笑わせようとしてくれる大翔君に、消えかけていた不安が再び胸の中で芽生えようとしていた。