「まりや、大丈夫か!?」
私が急に座り込んだことに驚いた大翔君は、慌てて近寄ってきた。
「ひ、大翔君……っ!」
側に来た大翔君に両腕を伸ばして抱き着くと、驚きながらもしっかりと受けとめてくれる。
背中に腕を回して抱きしめ返してくれる大翔君に、強張っていた体がほぐれていく。
「どうした? まりや。
帰ってきてお前が甘えてくるなんて珍しいな」
私を落ち着かせるために声のトーンと落として優しく聞いてくれる大翔君は、座りこんだ私を立たせて、リビングに連れていってくれる。
少し落ち着いた私は、リビングのソファに座ってから帰り道にあったことを大翔君に話した。
「あいつ、ふざけんじゃねーぞ。
何がナンバー1にしてあげるだ……ホストかっつーの」
私の話を最後まで聞いた大翔君は、かなりピリピリしている。
「大翔君に言われてたのに、約束破ってごめんなさい」
大翔君は麻生先輩がどういう人かってことわかってて、私に気をつけろって言ってくれたのに、私はそこまで深く考えてなかった。
大翔君が言ったことをあんな形で実感するなんて、本当にバカだよ私は。

