溺愛王子とヒミツな同居2




「ね、本気で考えてみてよ。

まりやちゃんなら、オレのお気に入りナンバー1にしてあげるからさ。

悪い話じゃないでしょ? もっと他の男に目を向けなきゃもったいないよ?」



呆然として声も出ない私に、静かに近付いてきた麻生先輩は、私の顔を覗き込んできた。



それに驚いて、反射的に距離を取る私の腕を掴んでくる。



な、何……?



「そんな逃げることないじゃん。

オレにお気に入りされるなんて、そうあることじゃないよ?

ヒロ君より、まりやちゃんを好きになる自信あるしね」



言いながら空いた距離を縮めてくる麻生先輩に、大翔君が言っていた言葉を思い出す。



『女にはかなり手が早いって、うちの学校じゃ有名な人』



『彼氏がいる女にまで平気で手を出すって聞いたことある』



『もっと危機感もってくれないと、俺の心臓いくつあっても足りない』



ドクドクと心臓が嫌な音を立てる。



大翔君が言ってたことは、こういうことだったんだと初めて自覚する。



「オレが遊んでる女の子達のナンバー1になれるって、まりやちゃんくらいだよ」



大翔君が言ってた言葉達が頭の中をグルグル回って、もう麻生先輩の声は私の耳に入ってこない。