絶対秘密の同居生活をしてる私達は、今日もお互い時間をずらして、バラバラに登校。
好きな人と登校って憧れだったりするけど、同居してる間は仕方ないよね。
昇降口で靴を履き換えてると、横から誰かに見られてる気配を感じて、ゆっくりと確認してみる。
「う~ん! その悩ましげな表情、色っぽくていいね~! 可愛いよ~!」
スマホ片手にニヤニヤ楽しそうにしながら、大きな瞳で私を見ていたのは、
今日も毎度のことながら、普通に現れない親友の栞だった。
「……それ、どこのおじさんの真似なの?」
「よっ! まりや。おじさんなんて酷いだろ~。
言うなら敏腕カメラマン栞ちゃんと言ってほしいね。
ほら、まりやのダンナのあっつ~い“俺のもの宣言”動画を撮ったのは、このあたし!
いやぁ~、あれは萌えるっ」
確かにあれを見た時は、すごく恥ずかしかったけど。
でも、それよりもあのクールな大翔君がクラスメイトの前で、私とのことをあんなふうにハッキリと言ってくれたことがすごく嬉しかった。

