「オレってなんか大翔の子供みたいじゃん。
ま、いいけど。じゃ、また明日な」
手を振って帰って行った光を見送ると、時間を確認しようとスマホをポケットから取り出す。
もうすぐ10時か……。
結構時間が経っていたことに気付き、自宅の戸締りを確認して、まりやの家に戻る。
遅くなるかもしれないと思い、まりやと同居すると決まった時におばさんから預かった合鍵で家の中に入る。
「大翔君……?」
パジャマ姿のまりやがリビングからひょっこりと顔を覗かせる。
「悪い。ちょっと遅くなった」
「ううん、大丈夫だよ。
宮内君は、大丈夫そうだった?」
光の様子がいつもと違うこと、まりやも気付いてたのか。
不安げに俺を見上げてくるまりやを安心させるように、頭を撫でてやる。
「お前は心配しなくていいから。
とりあえず、風呂入ってくる。
遅くなるから先に寝てていいよ」
「うん。宮内君、早く元気になるといいね」
また人の心配ばっかりして。

