「ほんとありがとな。大翔のお陰で少し気持ちが楽になった。
オレなりにどうすればいいか考えてみるよ」
「そりゃよかったな。来た時と別人だな、お前」
帰るという光を玄関で見送りする。
「そういえば、今日も大翔ひとり? 家に誰もいないみたいけど」
「ああ。父さんの仕事が忙しくて、母さんも手伝ってるから最近はずっといないことが多いんだよ」
祥吾以外には、まりやと同居してることを言ってないから、上手く理由をつけて返す。
まぁ、仕事で忙しいのは間違いないし、嘘じゃないしな。
「そっか。じゃ、今度オレが泊まりに来てあげるよ。
ひとりで寂しいでしょ、ヒロ君♪」
元気になったと思ったらすぐこれだ。
調子に乗りやがって、まったく。
「うっせー。とっとと帰って飯食って風呂入って、早く寝ろ」

