「はは、ははは! やっぱ大翔がオレの親友でよかったわ」
「何だよ。いきなり」
「オレ、誰かに背中押してもらいたかっただけなのかも。
前向いて進めって言ってほしかったのかなって、大翔の言葉聞いて思った。
女の子と遊んでるからオレの方が経験は上だと思ってたけど、特別な子がいる大翔の言葉はなんかさ……こう、ズシンとここに響いた」
ニッと笑った光が“ここ”と右手の親指で差した場所は、自分の左胸。
青春ドラマのセリフみたいに恥ずかしいことを言う光に、真剣に答えた俺の方が恥ずかしさが増してくる。
「もうお前には一生アドバイスなんかしねー」
「え、なんでだよ~!
あ、わかった。大翔君てば、恥ずかしがってんでしょ!?
照れるな照れるな。親友バンザイ!」
立ち上がったと思ったら、俺の隣に回ってきて肩に腕を回してくる。
「暑苦しいからくっつくなよ」
「大翔とオレの友という絆が深まった瞬間だろ~。
照れんなって!!」
急に元気になった光に、余計なこと言うんじゃなかったと後悔しはじめる。

