溺愛王子とヒミツな同居2




光が誰にも本気にならない理由。



そんなことって思う奴もいるだろうけど、初めてできた彼女にされたら、もし俺が同じ立場だったとしても、光みたいに恋愛するのが怖くなるかもしれない。



心のどこかでは、もう一度ちゃんと人を好きになりたいと思ってたとしても、本気になってまた同じことをされたらっていう恐怖心がそれを邪魔をしてるんだ。



いつもヘラヘラ笑ってるし、そこまで深刻に考えてないのかと思ってたけど、元カノが現れたことによって、あまり表には出さないけどきっと動揺してるんだよな。



「お前はどうしいんだ」



俺の声に下を向いていた光が顔を上げる。



「そんなの、ヨリ戻す気なんてあるわけないじゃん。

オレにとってはもう顔も見たくない相手なんだよ。

今さら好きだなんて言われたって、心は1ミリも動くわけない」



こんな光は初めて見る。



女好きで茶化してばっかで、バカなことばっかり言って。



本当は、自分をちゃんと見てくれる奴をずっと探してるんじゃないかって俺には思えた。



「お前の思ってること、あの篠原って奴に伝えたんだろ?」



「当たり前じゃん! もうアイツとは関わりたくないからハッキリ言ったよ。

もう話しかけるなって。

なのに、学校にまで押しかけてきて、いくら謝られても許せるわけない」