「人生初めての告白だった。
相手もオレのこと好きでいてくれたらいいなって、そんな上手くいくわけないって思ってたけど、アイツに告白したら即オッケーしてくれて。
あの時はマジで嬉しかった」
今の光からは想像できないけど、目の前にいるこいつの顔を見れば、その当時は本当に彼女のことが好きだったということがわかる。
初めて付き合うなら尚更、嬉しかったと思う。
「付き合って3ヶ月くらいだったかな。
アイツ、テニス部入っててさ。オレ部活終わるの待ってたんだ。
もちろん待ってるってことは秘密で驚かせてやろうと思って、テニス部の部室の前行ったんだ。
そしたら、信じられない言葉が中から聞こえてきて、すげぇショックだった」
光が本気で恋愛しなくなった理由。
思い出すのも嫌なのか、光は何度か深呼吸をして心を落ち着かせる。
俺は、こいつが話し終わるまでは何も言うつもりはなかった。
「『光君はカッコいいから付き合ってみたけど、見た目と全然違ってがっかり。
一緒にいても手も握ってこないし、キスだってしてこないんだよ。
もっとラブラブできるかと思ったのに、一緒にいてつまんないし、もう飽きちゃった』って言われたんだ」
飽きたって何だよそれ。
今の聞いてるとまるで、光のことはカッコいいから自慢できるって理由だけで付き合ったみたいじゃねーか。
「信じられなかった。
アイツもオレのこと好きで付き合ってくれてるんだと思ってたのに、オレの外見がよかったから付き合ったなんて。
中学生だよ? そんな恋愛慣れしてたら逆に怖いでしょ?
オレなりに、お互いを大切にしながらゆっくり前進できればいいなって思ってたのに、周りの子もそんなふうにオレのことを見てるんだと思ったら……。
本気で恋愛するのが怖くなったんだ」

