「お前も一応、本気で人を好きになったことあったんだな」
「当たり前でしょ!
オレを何だと思ってんのさ」
日頃の行動が目につくだけに、光は一生このままじゃないかと思ってたけど、
光もちゃんと人を好きになったことがあると知って、少し安心する。
「で、その元カノが今さらなんでお前とヨリ戻したいとか言ってんだよ。
お前がそんなふうになった原因なんだろ?」
「そうなんだよねぇ。
こう見えても、中学入ってアイツと付き合うまでは、オレ超がつくほどピュア少年だったんだよ」
「自分でピュアとか言うなよ。似合ってねーから」
俺の返しにムッとしながらも、そんなことは気にする性格じゃない光は、中学時代を思い出しながら話し始める。
「オレとアイツ中学入ってから同じクラスでさ。
席も隣同士だったから自然と仲良くなったんだ。
話も合うし、好きな音楽も一緒だったし、一緒にいて楽しかったし。
気付いたら好きになってて」

