「ごちそうさまでした」
朝食を済ませて、流しに食器を運んで洗い出した私の所に、大翔君も空になった食器を持ってきた。
何も言わなくても隣に立って、私が洗った食器をふきんで拭いて片付けてくれる。
これも、2人で同居しだしてからできたスタイル。
こうやってキッチンで2人で立ってると、いつも新婚さんみたいって思う。
でも、そんな夢みたいなこと思ってるのは、きっと私だけ。
社会人になった大翔君は、想像できないけど、きっと今よりもっとカッコよくなってるんだろうな。
食器を洗いながら、隣に立ってる大翔君をこっそりと見上げてみる。
「まりや」
「は、はいっ!」
考えていたこと、見ていたこと、全てがバレてしまったのかと、いきなり呼ばれて大きな声で返事をしてしまった。
「昼飯……一緒に食べようか」
「……えっ?」

