ひっそりとした墓場で、二人は求めるまま、狂おしい程に抱き合った。 だが、所詮は人間と死人………時間には限度があった。 次の日の太陽が昇る前に、健太郎は戻らねばならなかった。 後ろ髪引かれる思いで、何度も何度も後ろを振り返りながら……健太郎は、歩いて来た道を引き返す。 「健ちゃん~約束よ、また来年ね~」 「あぁ~来年な~」 健太郎の前に襖が見えてきた。 「真理子~またな」 襖を引くと、そこは、いつもの健太郎の部屋だった。