そこは……健太郎が今まで見てきた…押入れの中ではなかった。 どう見ても、そこは外の気配……… それも……そこは夜の世界だった。 暗闇の向こうに、ぼんやりと薄明かりが見える。 真理子~何処行ったんだぁ! 「真理子~」 健太郎は、大声で叫んだ。 しんと張りつめた冷たい空気の中で、声が~ 「健ちゃん~こっちよ」 それは、確かに真理子の声だった。 健太郎は、前に前に一歩、一歩進んだ。 進んだ、その場所は!