健太郎はあわてて布団から抜け出て、押入れの前まで来た。



この襖……開けるべきか?



この中に、本当に真理子がいるというのか?


確かに、この目で見たんだ、真理子がこの中に入って行く姿を……。




背筋にぞっと寒気がきて、身震いした。




怖い、恐い、本当にいたら……それは恐怖だ。



しかし………会いたい。



真理子に会いたい、愛する真理子に、もう一度会いたい。




会いたい気持ちが恐怖を打ち消した。



健太郎は、震えながら襖に手をかけた。




ゆっくりと、襖を滑らせていく。





   スゥ~~