*橘芙蓉*
疲れた
物凄く疲れた…
まさか自分が新入生代表あいさつをすることになるなんて思ってもみなかったからクラスに戻った今でも緊張が止まらない
それに、なんだかざわざわしてたし…
顔に何か付いてたかな…?
それとも制服がおかしかったり?
「はぁ…」
小さくため息をついて
そのまま机にぐでーっと上半身を倒した
「ねえねえ!さっきあいさつしてた子だよね?」
急に明るい声とともに背中をポンっとされた
「は…い」
「ありゃ?疲れてるねー。大丈夫?」
美人さんだな…
第一印象がそれだった
よっぽどモテてきたんだろうな
「うん。大丈夫!ありがとう」
そう言ってニコッとその子に笑顔を向けると、顔が赤くなった
熱でもあるのかな…?
「うちは山内李茉莉!よろしくね!」
「やまうち…いまりちゃん?私は橘芙蓉です。よろしくね!」
「李茉莉で良いよ〜!よろしく!」
高校生になって初めて出来た友達は
胸の辺りまである茶色い髪で手足がスラリとした美人さん
「てか、たちばな ふようって凄い可愛い!似合ってる名前だね!」
「えっ、そうかな…あ、ありがとう!」
私は名前の事を言われると嬉しい
「芙蓉」は自分でも結構気に入っている
似合ってはいないと思うけど…
「うちね、高校生活めちゃくちゃ楽しみなんだぁ!」
「私も楽しみ!」
ずっと憧れていた高校生活
新しい友達が出来て
たまには喧嘩しちゃったり
でもすぐに仲直りして
そして
恋をしたり
彼氏が出来たりもするのかな
いやそれは無いな
新しく友達が出来たからって舞い上がり過ぎた
でも
今日くらい舞い上がっても良いよね?
まだまだ始まったばかりだから…
そう思いながら
高校生になって初めてのHLを受けた

