「…ん……」

ふいに甘い声が漏れた


「何?気持ち良いの?」

からかってみたけど、反応は無い

てか、もしかしてこの子初めてかな

「良いの?」

「…え?」

「君の大事な大事な初めてを、こーんな遊びまくってる男にあげちゃって」

「………」

あれ、反応無し?

見透かされたのが嫌だったのかな?


「…別に」

小さな声が聞こえた

「ん?」

「別に、私なんかの初めてなんて誰も興味ありませんから。気にしないでください」


「…ふーん」

随分と自分を卑下して言うんだな

ま、別に俺には関係無いけど



なーんて思ってたけど

時節痛がる顔や

恥ずかしさに身をよじらせたり

無意識なんだろうけど
たまにぎゅーって手や俺の服を握って来たりする彼女を見てしまったら…



「ねえ、LINE教えてよ」

「…え?」

うっわ!迷惑そうな顔ー

「だから、LINE教えてって言ってんの」

「……良いですよ」

連絡先なんて、女に聞くのは初めてだ

今までは相手の方から聞かれてたから
自分からは聞こうともしなかった

そんな俺が、自ら女に聞くなんて…

我ながらビビってる

ただ、


なんとなく

少し彼女に興味が湧いたんだ







こうして、俺と彼女は、お互いを少しずつ少しずつ知って行くことになった