ある男子高校生の恋愛事情【三井編】


いつもならば

部屋のクッション殴ったり
公園の木を蹴ったりして

発散してきたこの感情を、このイライラを、このストレスを



「お前に、ぶつけそうだから、離れろ」

「やだ」


仕舞には芽衣子の“やだ”という発言にまでイラついてしまう


「離せって!!」

「泣いてるくせに」


「……は?泣いてねえし」


コイツ、何を言ってる


「目、悪いんじゃねえの?」



ーーギュッ


「……何してんだよ」

腕どころか首をホールドされた


「さっきの、お礼」

「そんなの、いらねえし」



本当に、マジで

「離れろよ」

「やだ」


「お前のことメチャクチャにするぞ」

「いいよ」



「俺たち、別に付き合ってないんだぞ」

「いいよ」



「ヘタな慰め合いになるだけだ」

「いいよ」



「言ったな」

「言ったよ」