「芽衣子、行くぞ」と足を踏み出した時
「オレの指導とお前の指導はどっちが優秀なんだろうな?」
「別に、どっちでもいい」
コイツの顔、見たくない
「悪いけど、大会はうちの学校が勝つから」
…………
「指導や人望はオレの方が上だって分からせてやる」
「あっそ」
気づいたら、どこかに消えた
なんで会うんだ
「……慎吾、今の」
………
「同じ中学の人……?」
「芽衣子には関係ない」
ああ、イライラする
少しだけ、忘れてたのにさ
思い出させやがって
少しだけ、浮かれてたのにさ
踏みにじりやがって
このままじゃ、マズイ
自分でも分かる
「芽衣子、一人で帰れるな?」
「え?」
「帰れ」

