ある男子高校生の恋愛事情【三井編】


午後の練習まであと30分ある

「斎藤、使うよ?」

「いいよ。そのために来たんだろ?」


よし


ダン!とボールをついてから駆け出した


「かっけー」

「腹立つくらい、上手いな」



あー、やっぱり体育館いいな


「三井。やろうぜ」

斎藤…


「ああ」



キュッというバッシュが床を擦る音

ダン!というボールの音

わずかに聞こえる息づかい


「斎藤、なまってるし」

「お前が相手だからだ」


「あっそ」と言って、ボールを放った

そのままゴールに吸い込まれていく


「俺の勝ち」

「あー憎たらしい奴」



「三井がこの学校だったら、よかったのにな」

………


「そしたら、もっといいバスケが出来た3年間だったのに」

………

「もう、遅いけど」


「……そうだな」



俺も最初から斎藤いるって知ってたら、
この学校来てたよ