ある男子高校生の恋愛事情【三井編】


ーーここって


「隣の中学じゃねえか」

「よく知ってるね」


当たり前だろ


「地元だし、何度も練習試合で来たし」

「ほら、体育館に行こ」



ダン、と音が聞こえる


おいコラ


芽衣子の首を軽く絞めた

「てめえ、部活中じゃねえか。使えないだろ。騙したな」

「騙してないってば」



「三井!」

ん?

振り返ったら

「あ」


「関谷から聞いたぞ。今日の指導よろしくな」

…………


「芽衣子、説明しろ」

「えーと……」



つまりだ

ここにいる斎藤と

俺は互いに学校は違うが元部長同士で当時は何かと交流も多少あったワケで


芽衣子はなぜかそれを知っていて


「頼むよ。後輩らがどうもイマイチなんだよ」

「斎藤が教えろよ」


「オレより三井のが上手いし」