「…」
「…もう、笑ってくれないの?」
彼は
私と目を合わせてくれなかった。
わざと
そらしてる。
そんなこと
見れば分かる。
「…俺のこと、
嫌いじゃなかったの…?」
目はまだ合ってないけど
会話は成立するものなのだ。
白く長い腕を
強く握った。
私は彼にこれ以上
泣き顔を見せないように下を向いた。
「…らい…」
「え?」
「だいっ嫌い!!
あんたなんか嫌い嫌い嫌い…嫌いだょ」
もうダメだった。
見せるとか見せないとかの
問題じゃない。
涙が溢れて
止まらなかった。
「…嫌い嫌いきらいきらい…」


