「・・っ・・・・」

カズは照れくさそうに頬を赤らめていた。

「まてよー、俺もいく。」

カズはしばらく沈黙していたけど、我に返って靴下と靴を脱いでランを追いかけた。

「キャーえっち~。」

カズをからかいながら走って海岸へとつくとそこはあたしの想像を絶するほどの場所だった。

透き通ったきれいな海。近くからみてもスカイブルーに光っていて、泳ぎたくなるぐらいの透明な美しい海。

「綺麗・・・。」

あたしはつい見とれて、カズをからかってたことも忘れてその場へと立ち尽くした。

こんな場所にユウと来たかったよ。そろそろユウに言われた通りに、新しい彼氏作ろうかな・・・。過去のことを引きずっても何もならないよね。未来に向かって歩みはじめないといけなくちゃ。

「このやろおー。」

あたしの側へと近づいてきたカズは後ろからあたしの手を引っ張ってあたしを抱きしめた。

あたし、今すごく幸せだよ。ユウと付き合ってたときぐらい、幸せ。恋することってこんなにいいことってこと、すっかり忘れてたなぁ。

「俺、この気持ち・・もう我慢できねぇじゃん。」

「何のこと・・?」

「俺さ・・・。」

「・・・・・・。」

カズは黙り込み暗い表情をして下を向く。

「俺・・・、やっぱや~めた。」

カズはそういうと抱きしめていた腕を緩めてあたしから離れる。