一旦、挟まれっこを解放してもらい、私達3人は居間のテーブルを挟んで座った。
と、ちゃんと着替えてね。
「だ、大地、あんた、その、あれよ、」
「ふはっ…何だよ~?」
くぬぅー。。
母親の反応を見て楽しんでやがるー。
「いつからその、彼…黒木くんの気持ち、知ってたのよ?」
「ん?夏休み始まってすぐ。」
「え!?そんな前から?」
ビックリして、
思わず当事者である黒木くんを見た。
彼は少し照れながら(母性本能くすぐりまくり)、話しだした。
「その…実は俺、結構前からなつみさんのこと知ってたんです。あのアイス屋さんでよく見かけて…実をいうと一目惚れしました。」
ず、ずきゅーん。。。
まさか、自分に対して“一目惚れ”というフレーズを頂けるなんて…
「そう②、黒センパイから聞いてた一目惚れの美人がまさか母ちゃんだったなんてなー。聞いた時はさすがに俺もビックリしたぁー。」
「俺も大地に写真見せてもらうまでまさか後輩のお母さんだったなんて…」
何ふたりで思い出話みたいなノリで
話してるの?
おばちゃんはまだ思考が
ついていってないのよ?
「わ、わかった。でも、大地は嫌じゃないの?先輩がその自分の母親に…というかなんというか。」
やっぱり思春期に母親の恋愛的なことって、嫌でしょ?というか、キモいとか言うでしょ。
「あ?別に俺的には何とも思ってないよ?
だって、黒センパイのこと尊敬してるし、母ちゃんだってまぁまだ若い訳だしさ~恋愛してもおかしくないっしょ。」
この子、大丈夫かしら…
なんて思いながらも、大地が嫌な気持ちになってないって聞いて少しホッとした。
私が何て言おうかと考えていると、そんな私を見かねてか…大地が先手を打った。
「だからさ、母ちゃんのそのどっち付かずの感じが息子の俺的には嫌なわけよ。な?」
「…うん。。」
「だから、ちゃんと二人で話して。分かった?」
「うん。……………っえ?」
素直に頷いてしまった私は、ハッとして大地を見た。
大地はすでに立ち上がって、玄関のドアに手をかけてこちらを振り向いた。
「センパイ!
話し終わったら、メールして下さいっ。」
「大地、サンキュ。」
息子はニカッと無邪気な笑みを見せると、意気揚々と出ていった。



