私は急に恥ずかしさがこみ上げてきて、慌てて着替えにいこうとした…
「ご、ごめんね、すごいだらしない格好で、
ちょっと着替えてく………」
ーーーーーーグッ。
あっという間に私は冷蔵庫と背の高い彼との間に挟まれていた。
ど、ど、どういう状況っ。。
黒木くん??
「このままで大丈夫ですよ。」
「え、でも、」
心なしか熱っぽい彼の声。
見おろす彼の艶っぽい目つき。
思わず、年下だということを忘れてしまうくらい見とれてしまった。
「なつみさん…肌きれい。いい匂いする。」
「そ、そんなことないよ…く、黒木くん…」
彼の整った顔がスッと私の鎖骨辺りへと下りていく。
微かにかかる彼の吐息にドキドキが止まらなくなっていた。
「黒木くん…だめ。」
必死の思いでゆっくりと彼の肩を押した。
「なつみさん…」
子犬のような潤んだ目が私を捕らえる。
「こんなおばちゃん、
からかっちゃダメだよ。」
そうだよ。
若いからっておばちゃんをからって遊んじゃ…
「俺…今、なつみさんにドキドキしてるんですよ。ほら。」
そう言って私の手をそっと掴むと、自分の胸へ当てた。
確かに…
手のひらから伝わる彼のドクドクと早い鼓動。
「なつみさん…俺のこと、
男として見れませんか?」
彼のストレートな言葉とその熱い眼差しが
私を磔にした。
「でも…私は大地の…」
私は大地の母親で…
「大地のお母さん、それは分かってます。」
「だったら…そんな関係になったらだめ…」
「大地は知ってます…
俺がなつみさんを好きなこと。」
「うん…そう…………………………っえ!?」
はい!!??
大地は何だって?
と、その時…
「まじで母ちゃん、焦れったすぎ。」
「ちょ…大地っ!?」
いつから居たの!?あんた!
私は黒木くんと壁に挟まれたまま、なに食わぬ顔で登場した息子に驚く。



