「転校生の京極優さんだ」

朝のホームルームの時間、先生が転校生を紹介した。
そういえば今朝、ナツミが言ってたっけ。転校生がくるって。
でも、全然興味ないんだけどー。とにかく眠い。寝たい!
なのに、そうとうなイケメンが来たのか、女子のキャーキャー言う声がうるさい。

「ミク、ミクってば!超ーイケメンなんだけど。
やばい、好きになっちゃう」

親友のナツミもその女子のうちの一人だったか。ってかナツミには・・・・。

「ナツミー、彼氏いなかったっけ?」

「もちろんいるよー。
でも、京極君って名前もかっこいいし、顔もサイコー!
ミクも寝てないで見てみなって。」

うぇー。めんどくさっ。
私はため息をつきながら顔をあげた。
 
「うそっ。でしょ?」

まさかっ!なんでいるの?
あの日のこと、やっと忘れかけてたのに。
京極って名前を聞いた時、何で気づかなかったんだろう。
なんで、あの人が、ここに・・・・。

「ミク、顔色悪いよ。
大丈夫?」

「うん。ちょっと朝食べすぎちゃったかなぁ?あははっ。」

「もう。ミクってば。
いつも言ってるじゃん。朝は食べすぎ注意だって。」

「うん・・・。」

ナツミは知らないんだよね。
だって、ナツミと出会うずっとずっとまえのこと。
そう。私たちがまだ幼かった小さい頃のことなんだから。
私と優ちゃんが出会ったのは・・・。