歳「おめぇ、木刀使った事ないのか?剣道は習った事ねぇのか?」



小『使った事ありませんし、剣道は習った事がありません…ですが、剣道とかやり方わからないですけど、普通に戦えば良いですよね…」


 
歳「あぁ、おめぇの戦い方で戦え。だが、使うのはそれだけだ」



私の持っている木刀を土方さんは顎で指した



小『はい。じゃあ、これは要りませんね』



私は、持っていた自分の刀を床を滑らすようにして道場の端までやった



歳「準備は大丈夫みたいだな。それでは、試合始め!!」


土方さんは準備が整ったのを見て、大きな声で試合の始まりの合図をした



その途端、向き合っている斎藤さんの雰囲気が変わった


………鋭く…………



─────ドクン…───

───ドクン…ドクン…ドクン……──


 
身体が……血が熱い………


あぁ、昔の感覚が戻ってくる



あの言葉を…声を思い出す



───殺せ─お前は他の奴らより優秀だ──冷徹、無表情─何もかもを忠実に─この組織での一番の殺人鬼──妖しく美しい────全てを…………殺せ。




───ドクン──



一「来ないのか。だったら俺から行くぞ」



斎藤さんは、素早く私の所までくると抜刀の姿勢をとった


私は…そう、暗示にかかったように、昔のように木刀を構えた


そして、斎藤さんの抜刀を素早く避け



今度は、素早くそして、とてつもなく低空姿勢で斎藤さんに詰め寄る


そのまま、刀を横に薙払った


だが、それはギリギリの所で避けられた……が


私は、今度は木刀を逆手に持ち


斎藤さんの方に薙払った



流石にそれは、避けられなかったようで、斎藤さんは壁の方まで吹き飛んだ



私は、その時…ハッと目を覚まし


斎藤さんを見た



(良かった生きてる…暴走しそうになってしまった…また昔のようになる所だった)



歳「しょ、勝負あり。勝者月白」



その場に居るもの達は静まり返っている


それはその通りだろう



新選組でも、相当強い斎藤さんを難なく倒してしまったのだから