おねいさんについて

綿飴を食べて、風船釣りをして、鯛焼きを食べて…。

「えっ」

神社の境内から花火を見ながら、奏多は声を上げる。

「孔雀君、あの夕城先生の息子さんなの?」

「愚息ですが」

愛刀・四季を傍らに置いて、微笑みを浮かべる孔雀。

「じゃあ天神学園の高等部で有名な、あの瑠璃一味って…」

「はい、僕の兄さんや姉さんです。中等部の僕の同級生や後輩も含まれますけど」

「そうなんだ…噂、大学部にも届いているわ」

「…お姉さんも、天神学園の関係者なんですか?」

「ええ。大学部の音無 奏多よ」

「奏多さん…」

孔雀はゆっくりと、奏多の名を呟く。

「素敵な名前です…奏多さんのイメージにぴったりだ」