「これ、また別の部署宛なんですけど!?やる気あるんですか?烏丸さん!」
これは刑事部の捜査課、こっちは同じく機動捜査隊、これに至っては警備部の外事課宛!でもうちは総務・警務部!
大量の書類の山から1つ二つと新たな山を作っていく。
「まぁ良いじゃんかよ。どうせ警察内部に送ってるんだから。それよりも黒江、今日はいつものあいつが来るぜ」
烏丸さんが言うあいつと言うのは、チャイルドセーブプロジェクトと言う訳のわからない組織を作った張本人、朝達保典と言う人物だ。彼は無精髭を蓄え、烏丸さんよりはまだ華奢な方だがしっかりとした体つきをしている。無駄な筋肉がない、と言った感じであろうか。私の見る限りは、まぁまぁイケメンな方だ。
「今回彼らに割り振れる仕事なんて知れてますよ?さっきの書類、結構な量はありましたけど大したことないものばかりでしたし」
「ち、ち、ち」
人差し指を立て、それを右に左にと動かす。人を小バカにしたような動作だ。そんな事で一々腹を立ててはバディを組んで一緒に仕事も出来ない。ここは1つ我慢を強いられている気分だ。
「その書類、全部見た?特に捜査課のやつ」
そう言うと分けてあった1つの山から、的確に三枚ほどの事件詳細書を取り出した。
「これは?」
よく見てみろと言わんばかりに、書類を私に差し出す。その態度も気に食わなかったが、仕事の事は烏丸さんには勝てない。ので、一応目は通しておくことにした。
1つ目の内容は、原野 奈々(はらの なな)ちゃん、七歳の捜索願。2003年の8月10日から行方不明になっているらしい。最後に目撃されたのは、前日の下校時だ。母親からは、下校後はすぐに家に帰るはずだがその日は夜の20時になっても帰ってこなかったので、翌日11日に捜索願を出したと言う。
二つ目は、裏カジノが出来たとの噂が発端で、その近くの裏路地で恐喝等が頻繁に出現。それの囮捜査・賭場への突入の協力。
三つ目は、最近多発しているスリの囮捜査だ。
一件目は、大掛かりな規模になるためうちでは人数不十分で破棄しようとしていた案件だ。それ以外は、烏丸さんの興味をそそらないとの理由でボツ、つまり送り案件になっているものだ。だから、逆にCSPでは扱わないのではないか、と言う不安なぞ他所に烏丸さんはそれをCSPに、と請け負ったらしい。
「烏丸さん。朝達さんがお見えです。14番室に案内しました」
案内所の宮野さん。綺麗で良く通る声だ。コスプレ好きで、コスプレ用の衣装を私服の様に着こなす事から、二次元の三次元者と部内では専らの噂になっていて…
「ぼさっとすんなよ、瑞樹ちゃん!それ持って14番室だよ」
名前呼びは止めてください。いちいち指図しないでください。などと新人の私が言えるはずもなく、三件の依頼書を製作する間も与えられず、詳細書のまま朝達さんの所へと私は向かった。
これは刑事部の捜査課、こっちは同じく機動捜査隊、これに至っては警備部の外事課宛!でもうちは総務・警務部!
大量の書類の山から1つ二つと新たな山を作っていく。
「まぁ良いじゃんかよ。どうせ警察内部に送ってるんだから。それよりも黒江、今日はいつものあいつが来るぜ」
烏丸さんが言うあいつと言うのは、チャイルドセーブプロジェクトと言う訳のわからない組織を作った張本人、朝達保典と言う人物だ。彼は無精髭を蓄え、烏丸さんよりはまだ華奢な方だがしっかりとした体つきをしている。無駄な筋肉がない、と言った感じであろうか。私の見る限りは、まぁまぁイケメンな方だ。
「今回彼らに割り振れる仕事なんて知れてますよ?さっきの書類、結構な量はありましたけど大したことないものばかりでしたし」
「ち、ち、ち」
人差し指を立て、それを右に左にと動かす。人を小バカにしたような動作だ。そんな事で一々腹を立ててはバディを組んで一緒に仕事も出来ない。ここは1つ我慢を強いられている気分だ。
「その書類、全部見た?特に捜査課のやつ」
そう言うと分けてあった1つの山から、的確に三枚ほどの事件詳細書を取り出した。
「これは?」
よく見てみろと言わんばかりに、書類を私に差し出す。その態度も気に食わなかったが、仕事の事は烏丸さんには勝てない。ので、一応目は通しておくことにした。
1つ目の内容は、原野 奈々(はらの なな)ちゃん、七歳の捜索願。2003年の8月10日から行方不明になっているらしい。最後に目撃されたのは、前日の下校時だ。母親からは、下校後はすぐに家に帰るはずだがその日は夜の20時になっても帰ってこなかったので、翌日11日に捜索願を出したと言う。
二つ目は、裏カジノが出来たとの噂が発端で、その近くの裏路地で恐喝等が頻繁に出現。それの囮捜査・賭場への突入の協力。
三つ目は、最近多発しているスリの囮捜査だ。
一件目は、大掛かりな規模になるためうちでは人数不十分で破棄しようとしていた案件だ。それ以外は、烏丸さんの興味をそそらないとの理由でボツ、つまり送り案件になっているものだ。だから、逆にCSPでは扱わないのではないか、と言う不安なぞ他所に烏丸さんはそれをCSPに、と請け負ったらしい。
「烏丸さん。朝達さんがお見えです。14番室に案内しました」
案内所の宮野さん。綺麗で良く通る声だ。コスプレ好きで、コスプレ用の衣装を私服の様に着こなす事から、二次元の三次元者と部内では専らの噂になっていて…
「ぼさっとすんなよ、瑞樹ちゃん!それ持って14番室だよ」
名前呼びは止めてください。いちいち指図しないでください。などと新人の私が言えるはずもなく、三件の依頼書を製作する間も与えられず、詳細書のまま朝達さんの所へと私は向かった。


