「あんたこれ…」
夜ご飯を食べた後お母さんが私の前に楽譜を出してきた
「なにこれ!?」
「なにって……
覚えてないの?
凜が初めての発表会で弾いた曲
このときからもうさぼり癖ついてたんだから」
開いてみると今のと比べるとびっくりするくらい大きな五線譜
そこにある大きな音符
「でも先生は凜のこと誉めてたんだよ
この子は才能あるから音楽の道に進ませたほうがいいって
音楽の高校行って音大行って……ヨーロッパに留学して……
先生私に会う度に言ってた」
なにそれ?初耳なんだけど
ってかヨーロッパって……
大げさじゃん
「本当は凜に可能性があるならそうしてあげたかったけど、凜がそれをいやがるんだもん
無理やりその道には行かせられなかった
でもあんなにさぼってたのに今あんなに弾けるようになったんだよ!?
だから自信持ちなさいって!
もう少しがんばればなんとかなるから」

