晧覬が私を確認すると女の人を跳ね除けこちらに歩いて来た。
私は玄関の方に後退りしながら逃げる体勢を作ってた。
帰って来た意味が本当に無いと自分でつくづく思ってしまった…
晧覬の顔は今まで以上に見た事もない顔…
怖い…
本当に怖い…
玄関に付き私は靴も履かずドアノブの場所を両手で探し…
あった!
そう思った瞬間。
〔逃げるな!!〕
晧覬の怒鳴る声…
いつも以上に大きな声に私は身を縮め動きを止めてしまった…
……………………。
思考停止…
何も出来なかった…
逃げる事さえ…
晧覬が近付き…
〔ようやく瑠璃を捕まえた。〕
優しい声に…
顔を上げると晧覬はいつもの優しい顔をした晧覬に戻ってた。
私は…
晧覬の腕を解こうとしたら…
〔ダメ!もう捕まえたから何処にも逃がさないし行かせない!〕
…………………。
私が離して!
そう言うと…
〔話があるから絶対に離さないよ…
瑠璃は本当に誤解してるから…〕
私の誤解?
じゃあの今さっきの二人の姿も誤解?
そう言うと…
はぁ~と晧覬が溜め息を吐いた。


