〔瑠璃?〕
名前を呼ばれたけど私は反応できなかった。

残酷な酬いに…


私は人を愛してはいけないんだ…

愛する資格なんかないんだ…



そう思った私は…


門とは反対方向を走ってた…

私は逃げた…

この酬いに耐えられ無く成って…


泣きながら走った。



でも掴まるのは時間の問題だった…



藤堂さんに…
〔瑠璃!〕
名前を呼ばれて腕を掴まれた…

私は…
後藤の達哉の家の敷居は跨げないと…
達哉のご両親にも会わせる顔がないと…
達哉を死に追いやったのは自分だから…
達哉にもご両親にも会えないと…


これが酬いなら酷すぎると…

私も達哉を死に追いやってしまったから酷すぎるなんて言える立場じゃないのは十分、分かってる…

でも…

でも私は晧覬、貴方を愛してしまった…

好きになってしまった…

惹かれてしまった…



だから貴方から晧覬からこんな酬いを受けるねは耐えられない…



泣きながら…

ボロボロになりながら私は晧覬に訴えるように言ってた…