なぜ私は抵抗しないのか?

なぜ私はこの人の側に居たい…
そう思ったのか?


自分の事なのに…

自分で自分の事が分からない…


藤堂弁護士は私を離すと膝を曲げ私の目線まで合わし私の顔を見て
〔こんな状態で一人で帰す訳には行きませんね…。麻生さんの方にはちゃんと連絡を入れてあるので僕が責任を持って貴女を家まで送り届けますからそれまであそこに座って待ってて下さい。〕

ソファーを指差し藤堂弁護士が言った。



私は本当に大丈夫だから…
そう言って無理矢理ドアノブを回し外にでようとした。


〔貴女と言う人は本当に頑固と言うか…〕
はぁ~っと溜め息をつかれ手首を掴まれそのまま引き摺られる様に強制にソファーに座らされた。


下を向き黙ってるとコーヒーのいい匂いがしてきて…

私の前のテーブルにコツンと置かれた。

私が上を向くと藤堂弁護士が熱いから気を付けて飲む様に…
そう言った。



この人はこの人なりに私の事を心配してくれてるんだと思う…



私はいつもみたいに…

砂糖とミルクはたっぷりじゃ無いから飲めない!!
そう言うと…