年上お姉さま

「…ありがとう、でもコーヒー君にあげる」

「え、いや、俺が悪いんで貰ってください」

「違うの、私ブラック…飲めないから」

…しまった。俺の勝手なイメージで
クールな人だから、コーヒーもきっと
ブラックで飲むんだろう。と思い込んでいた

お姉さんは、溶けかけのかき氷を
手に取り食べ出した。

「何してんの？座りなよ？」

「…お邪魔します…」

缶コーヒーを飲みながら、
横のお姉さんをチラッと見る。

嬉しそうにかき氷をぱくっと食べた。
よっぽど好きなのか、
一口食べただけでニッコリ笑った。

……やべえな。

お姉さんの初めて見る笑顔は
花が咲くみたいに綺麗で
胸がきゅんっと鳴った…

「…帰らないんすか？」

「私、すぐ近くなの。だからもう少し海を見てたくて…」