年上お姉さま

お姉さんの後ろ姿をしばらく見つめ
また片付けに取りかかった。

20分後…

「あ、やっべ!」

カウンターの端にひっそりと
練乳たっぷりのイチゴのかき氷があった。

あの時のお姉さんだ!

溶けかけのかき氷とお詫びの
缶コーヒーを握りしめ海の家を飛び出した。

「くっそ、帰ったんかな…」

遠くの砂浜を見ると
見覚えのある綺麗な横顔がいた。

俺は走ってお姉さんのところに行った。

近づけば近づくほど、綺麗な横顔。
でも、その瞳は悲しそうに海を見つめている。

「すみません、これ渡すの忘れてました」

「あ…別に良かったのに」
一度は俺の方に振り向たが、
またすぐ海を見つめだした。

「これ、お詫びのコーヒーです」

そっと、お姉さんの横に缶コーヒーと
溶けかけのかき氷を置いた。