年上お姉さま

「でも私は東京に行くから離れ離れなるでしょ?だから、一夏で終わらせようって…」

涙を流しながらお姉さんが言う…

「俺、待ってるから。一年後、この浜辺で待ってるから。だから来年の夏に聞いてよ?」

俺は緩めた手をまた戻して、
華奢なお姉さんを抱きしめる。

「ふふっ、生意気。年下のくせに」

「年下でわりーかよ…」

俺達は海から上がり、日が落ちるのを
浜辺で眺めた。

「金髪君、名前聞かせてよ。笑」

「俺は、松田海斗!」

「へえー、海斗君て言うんだ」

「お姉さんは?」

「私?私は、澤田さくら」

「さくら?似合わねー。笑」

「うるさいな!」