年上お姉さま

「…生意気」

「俺さ、お姉さんの事…」

「聞きたくない!」

…俺、振られたんだ。
話も聞いてもらえずに振られた。

「ごめん、年下はやっぱ嫌だよな」
そう言って俺は、抱きしめる手を緩めた。

「違うの!」
そう叫んだお姉さんの目は涙で
溢れていた。

「私ね、就職決まって…勤務先が東京になったの…」

「は?東京?」

「うん、それでねこの海から離れるんだなって思って毎日通ってたの」

「そう…だったんだ」

「私、去年から金髪君の事知ってた…ずっと見てた」

「俺もずっと見てたよ?」