梢「……やっぱりなぁ……」
わずかな間の後、そう、口を開いた。
梢「なんとなーく、なんとなくやけどな。…………この世の人やないような気ぃしたんやなぁ~……」
志乃「まぢすか」
梢「そう。まぢ。」
きっとこの時代の人からみたら、あたしは幽霊みたいな存在なんだろうな。
いるようで、居なくて。
生きてるようで、そうでなくて。
その時、あたしは気づいてしまった。
どんなに居場所をくれる人がいても
どんなに優しくしてくれる人がいても
結局、あたしは彼らとともに生きることは出来ないのだと。
梢「……それと、なんとなく 懐かしい感じがしたんやわぁ……」
そう言って、ちょっとはにかむように微笑んだ梢姉さんは、慈しむように、あたしを見つめる。


