志ーこころー 【前編】─完─



















梢「……やっぱりなぁ……」




わずかな間の後、そう、口を開いた。






梢「なんとなーく、なんとなくやけどな。…………この世の人やないような気ぃしたんやなぁ~……」



志乃「まぢすか」




梢「そう。まぢ。」





きっとこの時代の人からみたら、あたしは幽霊みたいな存在なんだろうな。





いるようで、居なくて。



生きてるようで、そうでなくて。






その時、あたしは気づいてしまった。






どんなに居場所をくれる人がいても





どんなに優しくしてくれる人がいても






結局、あたしは彼らとともに生きることは出来ないのだと。














梢「……それと、なんとなく 懐かしい感じがしたんやわぁ……」





そう言って、ちょっとはにかむように微笑んだ梢姉さんは、慈しむように、あたしを見つめる。